第30話 アゾレス工作開始
1939年1月1日。
天皇陛下
「諸君、謹賀新年である」






「明けましておめでとうございます」
天皇陛下
「今年は欧州において大きな動きがありそうだな」
林首相
「はい。史実によりますと、まず3月にはドイツによるチェコ併合とスロバキア属国化、4月にはイタリアによるアルバニア併合、そして9月にはドイツがポーランドへの侵攻を開始、英仏が対独宣戦布告を行って第二次世界大戦が始まります」
川崎軍需相
「以上のような欧州情勢を受けての、わが国の対応ですが…如何様になさいますか」
天皇陛下
「当面は、国力増強・軍備増強で十分だ。動きがあるとすれば、1941年以降だろう」
藤江内相
「とおっしゃいますと?」
天皇陛下
「独ソ戦だ。ポーランド侵攻の直前に、突如独ソ不可侵条約なるものが締結されて全世界が驚愕することになろうが、そんなものはまやかしにすぎん。いずれ両国は激突することになる。だが、その時期が史実どおりの1941年6月なのかは定かではない。この世界では、1941年夏を過ぎてもヒトラーがバルバロッサ作戦(対ソ奇襲攻撃作戦の秘匿名称)を発動しないことが往々にしてあるらしいのだ」
小川情報相
「されば、独ソ戦開始時の状況に応じて、ドイツまたはソ連に殴り込みをかけることになりますな」
天皇陛下
「左様。場合によっては、対独対ソの二正面作戦という最悪の状況も想定しておかねばなるまい」
川崎軍需相
「それはさすがに…わが国の国力を考えますと…如何なものかと…」
天皇陛下
「なに世迷言を申しておる! そのために米国を征服したんだろうが」
川崎軍需相
「はっ! 御意にございます…」
さて、その頃モスクワでは…

Hoi2DataWikiより
「赤軍は共産主義の栄光を世界中に広めるべく、将来起こる戦争にむけてさらなる準備を整えた。これで全軍の臨戦態勢はまた一段と強化されたのだ!」
…とのことで、その結果、ソ連の対地防御効率が0.2から0.3にUPされるらしい。近い将来、ソ連と戦火を交える可能性の高いわが国としては、あまりうれしくない。
1月6日。

マクシム・リトヴィノフなる人物のこと。外務大臣や駐米大使などを歴任したそうな。
で、なぜにこの人が引責辞任(?)に追い込まれたかというと、独ソ不可侵条約締結の障害になったから。ユダヤ系で対独強硬派だったらしい。
リトヴィノフの後任であるモロトフ外相が、不可侵条約締結の立役者となった。
1月7日。

ヒャルマー・シャハトってのはドイツ国立銀行総裁や経済大臣を務めた人物だそうで、史実では軍拡に反対して職務を解かれたそうな。
しかし、この世界では、AIが辞任において“いいえ”を選択したので留任している模様。
1月19日:我が国のスパイがポルトガルへの潜入に成功。
実は、日米戦争終結直後からポルトガルに丹念にスパイを送り込んでいて、これでついにMAXの10名に達した。

なぜポルトガルなのか。れっきとした理由があるのだが、それは後述したい。
1月26日:仁科芳雄が「核開発チーム」を開発。
原子力利用の第一歩を踏み出した。
さて「スパイ大作戦 in ポルトガル」の第2段階に着手。
アゾレス諸島の場所はここ。
ご覧のように大西洋のほぼ真ん中に位置しており、戦略上の重要拠点となるべき運命を背負った島々である。事実、第二次世界大戦中はイギリスやアメリカなどの連合国から軍事的・政治的圧力を受けて、連合国の基地として使用されていたらしい。
実際、ここに反政府と目される勢力が根を下ろしているのかどうかは不明。ただ、資金援助や扇動を行うことによってパルチザン活動が活発になり、うまいこと反乱や暴動が起きてくれれば、日本としてはそのどさくさにまぎれて労せずして欧州侵攻の前線基地を手に入れることができるのではないか。
できることなら、そんな回りくどいことをせずに、さっさとポルトガルに喧嘩をふっかけ、軍事力にモノを言わせて島を奪ってしまいたいのだが、そうはできない事情がこれ。
ポルトガルに喧嘩を売ると、まず間違いなくイギリスを盟主とする連合国との戦争になるわけだ。最悪の場合、対独・対ソ・対連合国という、多正面というより全世界を敵に回しての戦争に突入してしまう。いくらなんでも、そりゃしんどいだろう、というわけで、穏便(これでも十分に過激だが)にパルチザンの蜂起を促していくことにする。
1月27日:我が国はアゾレス諸島でパルチザンへの資金援助に成功。我々の計画が相手国に察知されました。これは外交関係に影響を及ぼすでしょう。
1月29日。

時期的には、ピブーンソンクラームによる首相就任直後の粛清ぐらいしか該当する事件はない。
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